就活ランキングと言えば、就活での一つの指標として見られています。就活ランキング上位の企業は往々にして就活の選考でも激戦区となり超人気企業では倍率が1万分の1という天文学的な数値となります。しかし、中途採用の転職ランキングに目を向けてみると、新卒のランキングとは掲載企業がガラッと変わってきてしまいます。なぜそのようなことになるのか検証してみました。新卒だけの視点ではなく、中途採用の転職者視点から見てみる就職ランキングです。

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就活ランキングと転職ランキング

まず、新卒の就活ランキングと転職ランキングにランキングされている企業を見比べてみましょう。どれだけ一致しているでしょうか?

(1)就活ランキングと転職ランキングの比較

【参照元】

マイナビ・日経 2018年卒大学生就職企業人気ランキング

DODA転職人気ランキング2017

ランキング マイナビ・日経就活ランキング DODA転職ランキング
1位 全日本空輸 トヨタ自動車
2位 JTBグループ Google
3位 日本航空 ソニー
4位 三菱東京UFJ銀行 全日本空輸
5位 東京海上日動火災保険 パナソニック
6位 三井住友銀行 楽天
7位 エイチ・アイ・エス 日本航空
8位 みずほFG アップル日本法人
9位 損保ジャパン日本興亜 サントリーHD
10位 伊藤忠商事 東日本旅客鉄道
11位 資生堂 ヤフー
12位 オリエンタルランド 武田薬品工業
13位 日本生命保険 三菱商事
14位 博報堂 オリエンタルランド
15位 バンダイ 本田技研工業

一致しているのは、航空系とオリエンタルランドのみです。見事に新卒は金融系で固まり、中途採用はIT・製造業で固まっているような状態です。

(2)企業を選んだ理由

続いて、これらの企業を選定した軸を見てみましょう。新卒では、安定性・業界上位・イメージがよいといった「安定感」や「良さそうなイメージ」を重視している回答が多いのに対して、転職者ではワーク・ライフ・バランス、働き方改革への取り組みといった「働き方」にフォーカスされた軸が多いと言えるでしょう。
【新卒が選んだ企業の選定軸】

・安定しているかどうか
・業界上位であるか
・将来性があるか
・給与・待遇が良いか
・イメージがよい、楽しそう
【転職者が選んだ企業の選定軸】

・働き方改革への取り組み姿勢
・ワーク・ライフ・バランスへの取り組み
・柔軟な働き方ができるかどうか
・オリンピックやインバウンド需要を見越して

*両項目とも、上記URLより抜粋

新卒と中途でこうもなぜ違うのか?

就活ランキングと転職ランキングを振り返ってみて、どうしてこのような違いが生じるのでしょうか?キャリアを取り巻く様々な観点から検証してみましょう。

(1)経済情勢・社会構造の変化

過去を振り返ってみると、景気情勢が不景気だと金融や食品といった業績が安定していると見られている業界が人気となり、好景気だとレジャー・サービスといった景気連動型の業界に人気が集まりました。近年の経済情勢を分析すると、アベノミクスの影響もあってか有効求人倍率も好調な伸びを見せ、リーマンショック直後だった2010年~2012年代の就活氷河期と比べると就活生・転職者にとっては応募の間口が広い状況となっています。

それゆえに、新卒就活生の傾向としては働いた経験がないゆえに、安定して将来的にも安泰な企業を希望し、転職者は働いたことがあるゆえに柔軟なワーク・ライフ・バランスを求めているという結果になったのだと考えられます。過去の氷河期みたいに行くことのできる企業に就職すればよいというマインドではなく、好景気によって個々の希望が強く表れるようになったと考えられます。加えて、オリンピックによるインバウンド需要という事象が旅行系・航空系・レジャーのオリエンタルランドの人気を高めていると分析できます。

社会構造としても、年金問題や少子高齢化といった日本の未来についてのやや先行き不透明感や不安が先行しているので、新卒者は安定を恒常的に求めつつあるように思われます。

(2)ワーク・ライフ・バランスの差異

この差異が一番大きいと言えるでしょう。中途と新卒の一番の違いは就労経験です。従って、働いたことのある転職者は今よりも良い就労環境を求める傾向をとるということでしょう。しかも、昨今の働き方改革の方向性によって柔軟な働き方やテレワーク、オフィスに縛られないで済む働き方を志向する企業が増えてきているので、多様化する就労観に合う企業が選ばれているのでしょう。かつてのような終身雇用・モーレツ勤務ではなく、転職ありきかつ柔軟な働き方が重視されているようです。

(3)イメージと実務経験の有無

学生はアルバイトやインターンのみでの就労経験しかないため、イメージ先行での就職活動をしがちと言えるかもしれません。知名度の高い企業や好感度の高そうな企業への応募が殺到するのもこのためです。対して、社会人の場合は実際に就労経験を経ているので、経験の中で培ったキャリアパスに対しての考えを満たし、自分に必要なスキルを得ることができそうな企業を選択していると言えます。このため、Googleやアップルといった外資系企業への応募や先進的な働き方を導入しつつあるヤフーや楽天の人気が高まっていると言えるでしょう。

(4)スキル

最後に、スキル面の観点では、新卒よりも転職者の方がスキルを求めているのではないかと考えられます。なぜなら、IT系のスキルは労働市場においては汎用性が高いと言われているので、現状のスキルに満足できない転職者がキャリアアップやキャリアチェンジのために転職をしているのではないかと考えられるからです。反面、新卒で上位に位置している企業ではあまり中途採用の枠が多くなく、新卒を大事にかつ長期的に育てていくゆえに中途市場では求人が出回らないのではないかと推察できます。

理想のキャリアを歩むために

ここまで、転職ランキングと就活ランキングの違いを検証してきましたが、いかがでしょうか?イメージできましたでしょうか?実際に働いている人から得られる示唆としては、働き方の柔軟性も軸になりうるということです。今あなたが就活生として、軸の一つとして実際に働いている人の視点も取り入れながら多面的に企業を分析できるようになれば、後悔が微塵もない選択ができるようになるでしょう。本コラムがキャリア選択の参考になれば幸いです。

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